この記事の3つのポイント
- マンションの天井のしみは、上階の配管か屋上防水かを写真だけで断定できません。使用時刻の聞き取りと屋上の確認で順に切り分けます。
- 当社の写真AI診断では、推奨プランが記録された56件のうち46件が『現地調査』を含む判定でした。まず原因を絞る調査が実務の起点になります。
- 足場を組まないドローン・赤外線・ロープアクセスを組み合わせることで、調査から補修までの工期とコストを抑えやすくなります。
Q. 都島区のマンションで漏水したら、まず何を確認する?
まず確認するのは『どの位置に、いつ、どんな量の水が出ているか』です。天井のしみや水滴は、上階の給排水配管が原因の場合と、屋上防水の劣化が原因の場合があり、見た目だけでは区別できません。管理側としては、被害の記録(発生日時・写真・範囲)を残したうえで、原因を絞る調査を最初に手配するのが合理的です。
当社の写真AI診断65件(2026年1月28日〜6月10日)のうち、推奨プランが記録された56件では、46件が『現地調査』を含む判定で、工事から入る『本格修繕』は7件でした。被害箇所は天井が50件で最多です。つまり、いきなり工事を発注するより、まず原因を確定させる段階が実務では圧倒的に多いということです。
Q. 上階配管か屋上防水か、どう切り分ける?
切り分けは『時間差』と『発生場所』の2軸で進めます。配管系は水回りの使用と連動して漏れが変化し、防水系は降雨後に遅れて症状が出る傾向があります。写真やドローンだけで原因を正確に特定できると断定はできず、原因の確定には現地確認や散水などを組み合わせます。
1. 上階の水回りの使用時刻を聞き取る
当社が実際に行う現地点検では、まず上階の入居者や管理記録から、キッチン・浴室・トイレなどの使用時刻を確認します。使用時刻と漏れが出る時間差を照らし合わせ、配管系の可能性を評価します。
- 使用直後に漏れが強まる → 給排水配管系を疑う
- 雨のあとに遅れて症状が出る → 屋上防水・外壁系を疑う
- 天候・使用に関係なく常時湿る → 給水管など常時圧力のかかる系統を疑う
2. 屋上のドレン周りと防水層の立ち上がりを見る
次に屋上へ上がり、ドレン(排水口)周りの詰まりや、防水層の立ち上がり(壁との取り合い部)の割れ・浮きを確認します。屋上は劣化が集中しやすく、ドレン詰まりで水が溜まると防水の弱点から浸入します。高所や広い屋根は赤外線調査による外壁・屋上の含水確認を併用すると、範囲の当たりをつけやすくなります。
3. 配管系か防水系かを順に判断する
聞き取りと屋上確認の結果を突き合わせ、配管系か防水系かを順に切り分けます。断定できない場合は、疑わしい経路に対して散水試験を行い、再現性を確かめます。この『順に切り分ける』手順を省くと、原因でない箇所を工事してしまう失敗につながります。
Q. 漏水調査でよくある見落としの失敗例は?
最も多い失敗は、天井のしみの真上を原因と決めつけてしまうことです。水は勾配や配管に沿って横移動するため、しみの位置と浸入口はずれることが珍しくありません。真上だけを補修しても再発する典型パターンです。
- しみの真上を浸入口と思い込み、離れた実際の原因を見逃す
- ドレン詰まりを放置したまま防水だけ直し、再発する
- 共用部(屋上・外壁)と専有部(住戸内配管)の責任区分を確認せずに発注してしまう
- 1回の目視だけで判断し、降雨時や散水時の再現確認をしない
マンションでは共用部と専有部で費用負担者が変わるため、原因の切り分けは責任区分の整理にも直結します。管理組合・オーナー・管理会社の意思決定のうえでも、まず原因を明確にする調査が有効です。
Q. マンション漏水調査の費用はどう決まる?
費用は建物の規模・状況と、必要な調査方法の組み合わせで決まります。写真だけの一次確認、屋上や外壁の現地点検、散水試験、赤外線調査などを、症状に応じて選ぶためです。当社では建物規模・状況・必要な調査方法を確認したうえで費用を案内しており、法人向けの建物調査を一律料金にはしていません。
調査費用の考え方(内訳)
- 写真AI診断:写真による一次確認。AI雨漏りドクターの写真AI診断は無料で、原因の当たりをつける入口として使えます。
- 現地点検:上階の使用時刻の聞き取り、屋上ドレン・防水立ち上がりの確認など。AI雨漏りドクターの現地診断は税込55,000円で、同社へ修理を依頼する場合は工事代に充当されます。
- 追加調査:散水試験、赤外線調査など。範囲や高所条件に応じて内容が変わります。
相場感の参考として、当社が運営する見積チェックAIの雨漏り修理相場ページでは、原因調査の目安を0〜10万円としています。写真AI診断で推奨プランに概算が出た56件では、概算費用の中央値は15万〜45万円でした(これは調査後の修繕を含む概算の中央値です)。
Q. 足場を組まずに調査・補修はできる?
建物の状況によっては、足場を組まずに調査から補修まで対応できる場合があります。ドローン点検・赤外線調査・ロープアクセスを組み合わせることで、足場設置の時間と費用を抑えやすく、工期短縮につながります。ただし、対応可否は建物の形状・立地・作業条件によって異なります。
- 高所外壁や屋上の広い範囲 → ドローン点検・赤外線調査で当たりをつける
- ピンポイントの補修や部分打診 → ロープアクセスによる高所補修で対応
- 屋上防水の劣化 → 現地確認のうえで補修範囲を決定
足場費用の比較を検討する場合は足場とドローン・ロープアクセスのコスト比較もあわせてご確認ください。
関連情報
受け取った修繕見積もりの妥当性を確認したい場合は、当社が運営する無料のAI診断サービスもご利用いただけます。相見積もりや発注判断の参考として、雨漏り修理の費用相場(当社運営・見積もりチェックAI)をご覧ください。
よくある質問
Q. 写真を送るだけで漏水の原因は特定できますか?
A. 写真だけでの断定はできません。写真AI診断は原因の当たりをつける一次確認として有効ですが、上階配管か屋上防水かの確定には、使用時刻の聞き取りや屋上の現地確認、必要に応じた散水などを組み合わせます。当社の写真AI診断でも、推奨プランが記録された56件のうち46件が『現地調査』を含む判定でした。
Q. 現地調査の費用はいくらですか?
A. 建物の規模・状況と必要な調査方法を確認して案内します。参考として、AI雨漏りドクターの現地診断は税込55,000円で、同社へ修理を依頼する場合は工事代に充当されます。法人向けの建物調査を一律料金にはしていないため、まず状況をお知らせください。なお現地調査を無料とはしていません。
Q. 上階が原因か屋上が原因かで、費用負担者は変わりますか?
A. マンションでは共用部(屋上・外壁など)と専有部(住戸内配管など)で費用負担者が変わることが一般的です。管理規約によって区分が異なるため、原因の切り分けと合わせて規約の確認をおすすめします。原因を明確にすることが、負担区分の整理と再発防止の両方に役立ちます。
オーナー様・管理会社様へ|建物の調査・補修のご相談
建物の規模・状況と必要な調査方法を確認し、費用をご案内します。雨漏り・外壁調査からロープアクセスによる補修までご相談ください。
執筆: 株式会社ドローン工務店(大阪市・建物調査/雨漏り改修)
監修: 株式会社ドローン工務店(建設業許可 大阪府知事(般-6)第161998号)